第一部「波濤」エピローグ
―――某所
機械は急速に回転を止め、見る見るうちに光が失われた。アルマードは目を開き、呼吸を整えた。
「おかえりなさい。いかがでしたか」
頭の中に響くのとは違う、スピーカーからの声。
「不思議な気分だよ。まるで自分が自分ではないような……」
「最初は誰しもそうでしょう。といっても、これは私にとっても初の試みなのですが」
電子音声の淡々とした声が流れる。アルマードは顔をしかめた。
「では、次はどの"記録"をお見せしましょうか」
2017/9/1
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