翼下の空隙



いつか夢見た一切合切
絵に描いた有頂天外
憧れた池塘春草の夢は幻想
夙に絶たれた定常状態
囚われた千状万態
肥大化した 最適解 こたえ こそ死の病

仰ぎ見た壁の中のロゴスでは
漣の一つと消えるだけ
あり得た行き止まりへと
翔けろ遠い記憶よ

Speculationの先に踏み出すほどに
絡め取られる羽根を刹那に憂えた
沈む狭い世界を嘆くなら低く飛び立て
波濤の迫る海へ


不知の摂理への恐怖と未確認の契約条項
それゆえ究理なるものがあるとするなら
誰もがそのドアに手をかけられることは
「彼ら」の理想に反するだろうか?

自由を求め学びを得た青年は
不自由の漂う海を流る
不確定性 みらい に目を塞いだ臆病者
/-- 分岐はどこだったのか? --/

Affirmationの中に組み込まれてた
事象を射る瞳の確かな混濁
可能性の荒野を恐れずさあ今強く羽撃け
歪な渦の外へ


/-- 長き時の蓄積を経て己が --/
/-- 理想のために生み出した世界を --/
/-- 疑うことでしか保てないなら --/
/-- そのことこそは人の敗北だ --/
/-- 驕りを捨てる覚悟があるのなら --/
/-- 意地でしかない永久など求めずに --/
/-- 歴史書の1ページに過ぎぬ --/
/-- 自らの導火線を断ち切るのだ --/


科学は道を裏切り
大地に毒と災厄をもたらした
けれど本当に道を裏切ったのは
人ではないのだろうか

昼間は薄闇に墜ち夜に光満ちる
この古い通路で考え続けていた
太陽と月の下の世界はどんな楽園なのか…煉獄なのか…


Deformationを重ね続ける儘に
傾いて行く基盤に叫びは届かず
呼吸をすることさえ儘ならぬ虚空の中で
風を起こせやしないのなら
合理性のない衝動的な行為にも
一縷の希望を求めてしまうのは
愚かなことだろうか?
痛みを与えない傷にこそ
痛みを感るのが転換期を前にした我らが務めだ

人は通じ合えるという希望は
美しいがために多くを傷つけた
吐き出すように零した感傷は捨ててしまえばいいだろう
それでも歩んでいけるから

Speculationの先に踏み出すほどに
絡め取られる羽根をそれでも揮って
希望のない世界を嘆くより
高く飛び立て 汀のミズナギドリ

作詞・作曲・編曲:イトマ
声:アルマード…イトマ
  クロード…イトマ
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2016/07/07
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